もう怒らない私へ!自分に合ったアンガーマネジメントの見つけ方と効果的な対処法
はじめに
怒りは誰もが抱える、自然な感情です。
けれどその怒りが、つい爆発してしまったり、我慢しすぎてストレスになったり…そんな経験はありませんか?
怒りをうまく扱えないことで、人間関係がギクシャクしたり、自分自身を責めてしまったりすることもあります。
そんなときに役立つのが「アンガーマネジメント」。
怒りのタイプを知り、自分に合った方法で向き合うことで、怒りを抑えるのではなく“上手に扱う力”が育っていきます。
本記事では、アンガーマネジメントの主な種類や、タイプ別の効果的な対処法について、わかりやすく解説していきます。
自分の感情に振り回されず、気持ちを穏やかに整えていきたい方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
アンガーマネジメントのタイプ

アンガーマネジメントには、いくつかのタイプがあります。
人によって怒りの感じ方や表現の仕方は異なるため、まずは「自分はどんなタイプなのか?」を知ることが、効果的な対処法を見つける第一歩です。
自分の傾向がわかれば、怒りに振り回されるのではなく、冷静に向き合うことができるようになります。
怒りをぶつけず溜め込まない!3タイプ別対処のコツ
怒りの表し方には、人によって違いがあります。
その傾向から、大きく次の3つのタイプに分けられます。
【1】 爆発型
怒りの感情が一気に高まり、すぐに声や態度に出てしまうタイプです。
衝動的になりやすく、後から後悔することも少なくありません。
👉 対処のヒント:
「イラッとした瞬間」に気づく練習が大切です。まずは“6秒ルール”などで反応をワンクッション置く習慣をつけましょう。
【2】抑うつ型
怒りを感じても、それを外に出せず、我慢して自分の中に溜め込んでしまうタイプです。
周囲には穏やかに見えても、内側ではストレスがたまり、心身に負担がかかることもあります。
👉 対処のヒント:
「怒ってもいい」と自分に許可を出すことが第一歩。安全な場所で感情を言葉にする練習から始めましょう。
【3】 受動的攻撃型(パッシブ・アグレッシブ)
怒っていることをはっきり言わず、皮肉や無視といった形で相手に不満を伝えてしまうタイプです。
相手との関係が悪化する原因になることもあります。
👉 対処のヒント:
「本当はどうしてほしかったのか?」と、自分の本音を見つけることが大切です。感情の奥にあるニーズに目を向けてみましょう。
自分がどのタイプに当てはまるかを知ることで、怒りに振り回されずに、落ち着いて対処できるようになります。
まずは、自分のパターンをやさしく見つめてみましょう。
性格特性による6つのアンガーマネジメントタイプ
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会では、性格特性に基づき6つのタイプに分類しています。それぞれの特徴を理解することで、自分に合った怒りの対処法が見えてきます。
(1)公明正大タイプ
正義感が強く、ルール違反や不公平なことに対して怒りを感じやすいタイプです。
対処のポイント:理想と現実のギャップを受け入れ、柔軟な視点を持つことが大切です。
(2)博学多才タイプ
完璧主義的で、考え方や価値観が異なる人に対してイライラしやすい傾向があります。
対処のポイント:多様性を認め、相手の視点を理解しようとする姿勢を意識しましょう。
(3)威風堂々タイプ
自信にあふれていますが、自分の評価が下がると強いストレスや怒りを感じます。
対処のポイント:自己肯定感を保ちつつ、過度な自己評価にとらわれないことが重要です。
(4)天真爛漫タイプ
素直でまっすぐですが、空気を読むのが苦手で制限のある状況にイライラしがちです。
対処のポイント:周囲の状況や人の気持ちに少し注意を向ける訓練が役立ちます。
(5)外柔内剛タイプ
温和な雰囲気ですが、内には強い意志を持ち、ストレスをため込みやすい傾向があります。
対処のポイント:定期的なストレス発散や、自分の気持ちを表現する方法を見つけましょう。
(6)用心堅固タイプ
他人を信用しにくく、相手にレッテルを貼りやすいタイプです。
対処のポイント:人間関係の信頼を少しずつ築く努力が、怒りを和らげる助けになります。
このように、性格特性によって怒りの感じ方や表現が異なります。
自分のタイプを知り、タイプに合ったアンガーマネジメント法を身につけることが、効果的な怒りのコントロールにつながります。
アンガーマネジメントの効果

アンガーマネジメントを実践することで、心や体の健康が整い、対人関係も良くなるなど、さまざまな良い効果が期待できます。
感情コントロールの向上
怒りの奥にある本当の気持ち(一次感情)を理解し、物事の意味づけを柔軟に変えることで、不要な怒りがわきにくくなります。さらに、怒りをコントロールする方法を身につけると、感情を適切に伝えられるようになります。
たとえば、上司から厳しい指摘を受けたとき、「自分が馬鹿にされた」と感じやすいですが、実は上司はあなたの成長を願っているのかもしれません。このように見方を変えることで、怒りを和らげることができます。
夫婦関係でも同じことが言えます。パートナーが思いやりのない言動をしたと感じたとき、「自分を嫌っているのでは」と受け止めるのではなく、「疲れているのかもしれない」「伝え方がうまくなかったのかも」と視点を変えてみると、怒りを落ち着けやすくなります。
コミュニケーション能力の向上
自分の価値観や行動のクセを客観的に知ることで、より適切なコミュニケーションが取れるようになります。怒りっぽい人は、無意識に周囲を威圧してしまい、人間関係がぎくしゃくしがちですが、アンガーマネジメントを実践すると、そんなトラブルを減らせます。
たとえば、怒りを感じたときは、まず深呼吸をして気持ちを落ち着けましょう。次に、相手の立場や気持ちを考えてみると、建設的な話し合いがしやすくなります。こうしたコミュニケーション力は、職場だけでなく、夫婦や親子などの家族関係、友人との関係にも良い影響をもたらします。
職場環境の改善
職場でアンガーマネジメントを実践すると、パワハラ防止やモチベーションアップ、生産性の向上につながります。怒りっぽい上司のもとでは、部下のストレスがたまりやすく、仕事への意欲が下がってしまうこともあります。でも、上司自身がアンガーマネジメントを実践すれば、そうした問題は減らせるでしょう。
また、社内研修などでアンガーマネジメントを取り入れ、組織全体で取り組むことで、さらに効果が高まります。社員一人ひとりが感情のコントロールを意識することで、みんなが働きやすい職場環境が作られていきます。
アンガーマネジメントの実践方法

ここまでアンガーマネジメントの重要性についてお伝えしてきましたが、では実際にどのように実践すればよいのでしょうか?
6秒ルール
怒りの感情のピークは約6秒で過ぎ去ります。そこで、怒りを感じたら6秒間待つ「6秒ルール」を実践してみましょう。この6秒の間に深呼吸をしたり、別のことを考えたりすることで、怒りが収まるのを待つことができます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返し練習することで、徐々に上手にコントロールできるようになります。
怒りをあおるような状況では、特に6秒ルールを意識するとよいでしょう。
怒りの感情は、ピークが約6秒で過ぎ去ると言われています。そこで、怒りを感じたら「6秒間待つ」という方法を試してみましょう。この6秒の間に深呼吸をしたり、別のことを考えたりすることで、怒りが落ち着いていくのを待つことができます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返し練習することで、だんだん上手に感情をコントロールできるようになります。
特に、怒りをあおるような状況では、6秒ルールを意識してみると効果的です。
詳しい実践方法やポイントについては、こちらの記事でわかりやすく解説しています。よかったらぜひあわせてご覧くださいね。
グラウンディング
グラウンディングとは、五感を使って「今ここ」に意識を向ける技法です。怒りに囚われやすい時こそ、周囲の環境に注意を向けることが大切です。
具体的には、
- 視覚:周りの物の色や形に目を向ける
- 聴覚:聞こえてくる音に耳を傾ける
- 嗅覚:空気の匂いを感じる
- 触覚:手の平で何かに触れる
- 味覚:口の中の味を意識する
このように五感を活用することで、怒りでいっぱいの頭をリセットし、現実に意識を戻すことができます。こうしたグラウンディングの実践が、冷静さを取り戻す助けになるのです。
タイムアウト
タイムアウトとは、怒りが収まらないときに一時的にその場を離れる方法です。気分転換や別の作業に集中することで、怒りが和らぐことが期待できます。
タイムアウトを行う際は、あらかじめ目的地を決めておくと効果的です。例えば、目的地までの道中に散歩をしながら気分転換を図ると、物事を客観的に見つめ直しやすくなります。
ただし、長時間の離席は難しい場合が多いため、15分から30分程度を目安にしましょう。短時間でも、気分をリセットするには十分な効果があります。
アンガーマネジメント診断

自分のアンガーマネジメントのタイプを知りたい場合は、診断サービスの利用がおすすめです。専門的な診断を受けることで、自分の怒りの特徴や傾向を客観的に理解でき、より効果的な対処法を見つけやすくなります。
「アンガーマネジメント診断」
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会が提供する「アンガーマネジメント診断」は、12の質問に答えることで、自分の怒りのタイプを知ることができます。
質問の回答は点数化され、合計点に応じてタイプが判定されます。例えば、「威風堂々タイプ」の方は、他者の評価を気にしやすい傾向があります。自分のタイプを理解することで、より具体的で効果的なアンガーマネジメントの実践方法が見えてくるでしょう。
なお、「アンガーマネジメント診断」をオンラインで受けるには、書籍『はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)を購入する必要があります。この書籍には診断をウェブ上で受けるための特典が付いており、診断結果をPDFで保存することも可能です。詳細や購入方法については、日本アンガーマネジメント協会の公式サイト(angermanagement.co.jp)をご確認ください。
オンライン診断の活用
近年、アンガーマネジメント診断をオンラインで手軽に受けられるサービスが増えてきました。
Webサイトにアクセスし、簡単な質問に答えるだけで、自分の怒りのタイプや特徴を知ることができます。
オンライン診断の大きなメリットは、匿名で気軽に受けられる点にあります。周囲の目を気にせず、素直に自分の性格を見つめ直せるのは大きな利点です。さらに、診断結果には具体的なアドバイスが添えられていることが多く、日常生活への応用にもつながります。
オンラインにはさまざまな診断サービスがありますので、ご自身に合いそうなものを、ぜひ探してみてくださいね。
まとめ
アンガーマネジメントとは、怒りの感情を適切にコントロールし、建設的に表現するための心理トレーニングです。自分の怒りのタイプを知り、それに合った対処法を実践することが、効果的な第一歩となります。
本記事では、怒りがどのように現れるかという傾向や性格特性からタイプを分け、それぞれに合った対応方法をお伝えしました。また、感情のコントロール力やコミュニケーション能力の向上、さらに職場をはじめとした人間関係の改善にもつながることをご紹介しました。
実践方法としては、「6秒ルール」「グラウンディング」「タイムアウト」など、日常生活に取り入れやすい具体的なテクニックをご紹介しています。
アンガーマネジメントを継続的に実践することで、怒りを上手に扱えるようになり、人間関係の改善や心の安定にもつながっていきます。ぜひ、自分のタイプを知ることから始めて、日々の暮らしに活かしてみてください。
よくある質問
アンガーマネジメントのタイプには、どのようなものがあるの?
アンガーマネジメントでは、怒りの表し方や性格特性によっていくつかのタイプに分類されます。
まず、怒りの表し方によるタイプには、以下の3つがあります:
爆発型
怒りを一気に爆発させてしまうタイプ。衝動的で攻撃的な言動になりやすい傾向があります。
抑うつ型
怒りを表に出せず、内側にため込んでしまうタイプ。心身にストレスがたまりやすくなります。
受動的攻撃型
表面上は冷静でも、無視や皮肉などで間接的に怒りを表すタイプです。
また、性格特性に基づくタイプとしては、以下のような分類が提唱されています:
(1)公明正大タイプ
正義感が強く、ルールや道徳を重視するタイプ
(2)博学多才タイプ
知識やスキルに自信があり、自分の考えに誇りを持っているタイプ
(3)威風堂々タイプ
自分に自信があり、リーダーシップを発揮しやすいタイプ
(4)天真爛漫タイプ
感情表現が素直で、思ったことをすぐ口にしやすいタイプ
(5)外柔内剛タイプ
一見穏やかでも内に強い意志や怒りを秘めているタイプ
(6)用心堅固タイプ
慎重で警戒心が強く、心を許すのに時間がかかるタイプ
自分のタイプを知っておくと、怒りに左右されず、冷静に対処できるようになります。
アンガーマネジメントには、どのような効果があるの?
アンガーマネジメントを身につけると、イライラに振り回されることが少なくなり、自分の気持ちを落ち着いて伝えられるようになります。感情のコントロール力や対話力が育つことで、家庭や職場での人間関係がぐっと楽になりますよ。
アンガーマネジメントの具体的な実践方法は?
アンガーマネジメントには、日常の中で取り入れやすいシンプルな方法がいくつかあります。たとえば、
6秒ルール
怒りを感じたらすぐに反応せず、まず6秒間待って落ち着く時間を取ります。怒りのピークは6秒といわれており、その間に衝動的な言動を防ぐことができます。
グラウンディング
五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)を使って「今、ここ」に意識を戻す方法です。深呼吸をしたり、身の回りの物に意識を向けることで、冷静さを取り戻すサポートになります。
タイムアウト
その場をいったん離れることで、怒りをクールダウンさせる方法です。距離を取ることで感情が落ち着き、冷静に考える時間が持てます。
これらの方法を意識して繰り返し実践することで、少しずつ怒りとの向き合い方が上手になっていきます。毎日の習慣として取り入れることが、感情をコントロールする力を育てる第一歩です。
アンガーマネジメントの診断方法は?
自分の怒りのタイプを知るには、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会が提供している「アンガーマネジメント診断」などを利用するのがおすすめです。最近はオンラインで気軽に受けられる診断サービスも増えているので、忙しい方でも手軽に試せます。
診断結果をもとに、自分に合った具体的な対処法やトレーニング方法を学ぶことができるので、効果的にアンガーマネジメントを進める手助けになりますよ。
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